ストックウェル駅の地下鉄車内で私服警官からの発砲で殺害されたジェアンシャルレス・ジメネゼス(Jean Charles de Menezes)。彼はブラジル出身でブリクストン在住の27歳の電気技師。当初は逃走したために、私服警官が発砲して殺害したと報じられていたが、新たな報道によると、ジメネゼスさんは実際には逃亡しておらず、電車のシートで座っている所に警官がやってきて、頭部に発砲して射殺した、というのだ。この他、7月なのに厚手のコートを着用していたとなっていたが、当時のジメネゼスさんは薄手のデニムの上下を着ていて、爆弾を装着するような服装ではなかった。 警察苦情処理独立委員会(IPCC: Independent Police Complaints Commission)では、ジメネゼス射殺について調査するために、スコットランドヤードに資料の提供を求めているが、まだ実現していない。
思いつくところを挙げてみたが、よくわからないことが多い。私服警官は彼が爆弾を持っていると思っていたのだろうか?テロ実行犯だと思い込んでいながら、私服警官は自宅から追跡を始めて、地下鉄に乗り込むまで容疑者を放置している。テロを起こす恐れがあるなら、地下鉄のシートに腰掛ける以前に、身柄を確保したり、職務質問をするなどしておけばいい。そんなことをしたら実行犯はどんな行動に出るかわからない、ということで射殺したのかもしれないが、他の客が居合わせた地下鉄車内という最悪の場所で発砲したのもある意味で落ち度である。地下鉄の乗客たちに、いろいろと証言されることが考えられる。だが、1983年に発令されたshoot to kill policyによって、市民の安全確保のために、警官には射殺行為が認められている。この法律が適用されるということで、市民の前で射殺した……なんてことはあるのだろうか。 爆弾を所持していないことはわかっていたが容疑者を射殺しちゃったのは、テロ実行犯ということで私服警官が相当にびびっていたという可能性もある。あるいは、その私服警官がとても勇敢であったので、テロ実行犯の予想できない行動をさせないために、暴走して、ついつい銃弾を浴びせてしまった。どこに真相があるとしても、おそらくお粗末な事実とその後の警察らしい処理が見えてくる気がする。