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ネット&読書探索の遍歴
by kaursh
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ジャック・ケッチャムの『オフ・シーズン』
a0024788_21515.jpg 陰惨な小説で有名な『隣の家の少女』はすでに読んでいたが、ケッチャムのデビュー作の『オフ・シーズン』を入手して、早速読み終わった。これはかなりの傑作。ホラー小説はこれまでいくつか読んできたが、『悪魔のいけにえ』や『死霊のはらわた』のような迫力のある作品に出会ったことはなかった。ケッチャムのこの小説はホラー映画を見ているときのように、残虐でありながらそれを楽しんでしまうことができてしまうのだ。スティーブン・キングの小説も好きだが、やはり登場人物の心理描写が中心的な位置を占めていて、映画のような臨場感をうまく表現できていなかったのだなあ、ということがわかってくる。
 まだ、あまり確かめていないが、ケッチャムは本作以降、『隣の家の少女』に代表されるようないじめや虐待をテーマにした小説を書いている。既読なのはこの『隣の家の少女』だけだ。母親とちょっとませた少年が少女を苛め抜いて、最後にはエスカレートして息、監禁して殺害してしまう。本当に救いのない内容だ。この手の話はノンフィクションに負けてしまう気がして、私は好きになれない。どうせならば、『オフ・シーズン』のような作品をもう一度書いて欲しいものだ。
 下に小説の内容を書いておいたが、どうせ読むなら、あまり細かい筋書きは知らないで読んだ方がいい。注意すべきは、この本の前書きとあとがきの部分でストーリーがかなり紹介されていることだ。その部分はできるだけ読まないように慎重にページを飛ばしましょう。

補足:
 調べてみたところ、ケッチャムの小説は実話を基にして創作されたものであるということが「ケッチャム作品と実話」で詳しく紹介されている。スコットランドの話はそういえばどこかで読んだ覚えがあったような気がする。


(ネタバレあり)
前半部分は登場人物たちの素性を描いていて、いささか退屈だった。都会からバカンスを楽しみに来た都会の人々の人間関係、喰人鬼の不穏な動きを察知する地元の警官の日々の生活がのんびりとした調子で描かれている。だが、喰人鬼たちがついに都会人たちを襲撃し始めてからは急に面白くなった。最初に、都会の男性と女性を血祭りに上げて、カニバリズムにふけるあたりの様子は残虐ではあるが、読んでいると、それほど怖くはない。カーラは生きたままで、別荘の近くの場所で身体をすっぱりと切り裂かれるシーンはひどいなあと思いながらも、すんなりと読んでしまった。さすがに、ローラという女性が洞窟で生きたままの状態で身体を切り刻まれる場面は、ゲゲっと思ってしまった。最後に救出される妹以外にも、洞窟では少年と男性が生存していたが、馬鹿な警官が間違って撃ち殺してしまう。この結末もすっきりしていてよかった。バイオレンス・ホラーの傑作として記憶に残ることになるだろう。

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        by kaursh | 2004-06-03 15:01 | 海外小説
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