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ホイットリー・ストリーバーの『コミュニオン』
a0024788_302.jpg このところ、新潮文庫でストリーバーの『薔薇の渇き』や『ラスト・ヴァンパイア』が新刊として出版されたり、映画『デイ・アフター・トゥモロー』があったりと、新たなストリーバー・ブームを迎えているといった観がある。
 『コミュニオン』は1987年とちょっと古い作品だが、学識ぶりを披露しながら、独自の体験をもとにUFO論を展開する奇妙な作品だ。ストリーバーは自分の記憶の一部が隠蔽されていて、別荘に滞在していた間にどうやら宇宙人らしきものと遭遇していたことにハタと気づいた。そこで、定評の高い心理カウンセラーに過去を再現してもらい、本当に何が起こったのか、その真相を明らかにしていく。なんと、夜中でベットに入った所に、小さな宇宙人がたくさんやってきて、彼を宇宙船へ連れ出していた。そこで彼は何か手術を受けたりしていた。だが、カウンセリングを繰り返していくうちに、こうしたアブダクション体験は一度だけのことではなかった。子供時代から彼は何度も宇宙人にどこかに連れて行かれ、検査を受けたことがあったのだ。一度は父親と一緒に宇宙船にさらわれたことがあり、彼は案外冷静に事態に対処していたが、父親は宇宙人に驚いて叫び声をあげていた。
 これは虚構なのか、それとも本当にストリーバーの体験なのか、私には確信がもてない。ストリーバーの手法はかなり冷静で、UFOに関心がないカウンセラーを使うことで、アブダクションの記憶に客観性を持たせるようにしている。だが、そういう態度や、妙に整然とした本の内容に、私はどうも逆に胡散臭さを感じてしまう。とはいえ、アブダクション関係の本の入門書としては楽しめるし、UFOとの遭遇の部分は読んでいて、ちょっと怖くなってしまったのも事実。しばらく、寝る前の読書タイムに本を広げていたが、こういう宇宙人が扉を開けてやってきたら……とガクガクブルブルしてました。
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        by kaursh | 2004-06-04 03:01 | ノンフィクション
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