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2004年 06月 24日 ( 2 )
       
竹本建治の『ウロボロスの偽書』
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 こんなところに、変わったタイプの小説があったんだ!

と私からするとかなりの発見。作者こと竹本建治が連載を始めた小説に誰かがいつの間にかに書き込みをするようになった。独白形式で殺人者の心理が描かれた話、それを書く竹本建治の日々、そして連城三紀彦がアイデアを提供したという芸者たちの物語、これが平行して話は進んでいく。作者が小説に現われるだけではなく、島田荘司、綾辻行人、小野不由美(?)など著名なミステリー系の作家たちやその友人が次々に現われて、不可解な事件に巻き込まれていってしまう。

(あえて言わないが)このジャンルを目指すとかなり退屈な話になる危険性が高いが、ミステリーにしてしまうことで厚いながらも緊張感の持続したストーリーになることに成功している。

続編となる 『基礎論』も少し読み始めたが、まだそのままになっている。だが、この手法を採用しているだけで、私はかなり気に入ってしまってもいる。竹本はどれくらいこの種の他の小説を意識しているのだろうか?笠井潔は竹本に対抗して『天使……』とかいう本を出していた。
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        by kaursh | 2004-06-24 02:26 | 国内ミステリ
アンディ・マクナブの『ブラボー・ツー・ゼロ』
a0024788_232.jpg イギリスの特殊部隊の隊員が入隊から湾岸戦争の体験までを書き綴ったノンフィクション作品。それほど期待しないで読んでいたが、やめられなくなる面白さ。イギリスの特殊部隊について

 ハードな訓練や他の隊員たちとの関係

     イラク潜入と銃撃戦

   そして捕虜生活と拷問の恐怖

と一冊でその全貌がわかってしまう。……いや、SAS戦闘員の方も読んでいたので、そっちに訓練のことが書かれていたのかもしれない。SASもあわせて読めば、かなり完璧。イラク戦争のこともちょっと違う側から考えることができる。戦争といっても特殊部隊の人たちはあくまでも仕事で行っていて、事務的にこなしていかざるをえない。でも、イラクの住人を殺さないようにしたり、逆に現地の人に助けられることがあったり、著者も一方的な見方を避けている。米兵ではなかったので、彼はまだ助かったようなのだが、アブグレイブ刑務所に比較してもずっとましな待遇を受けている。
 この本は戦争捕虜になったときの対処法も教えてくれる。拷問を受けたときは、ひたすら、

   その質問には答えられません。
   その質問には答えられません。
   その質問には答えられません。
   その質問には答えられません。
   その質問には答えられません。

って繰り返すのが鉄則。脱出するチャンスをうまく利用できるようにするために、食事はよくとって、体力を温存するように心がける。そうかそうか。実際に使う機会はほとんどないとは思うが、勉強になります。そして、彼は運良くイラクから生還してくることになる。よくよく考えると、そんなにすごい戦績を残してきたわけじゃないんだけど、なぜだか読んでいると尊敬してしまう所が不思議。

金がないから軍人になった人だけど、マクナブって書くのがうまい。
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        by kaursh | 2004-06-24 02:04 | ノンフィクション