トップ
2004年 09月 06日 ( 1 )
       
ホランとデリマ選手の救済度
a0024788_21224674.jpg 夕方の民放のニュース(多分、フジ系)で、オリンピック男子マラソンで、元司祭ニール・ホランが首位に立っていたデリマ選手に抱きついた事件の続報をしていた。イギリス現地の日本のテレビ局関係者なのだろうか、白人の女性がロンドンのホランの住居を訪ねて、直接取材をおこなっていた。(もしかして警察に厄介になっていると思っていたが、もうイギリスに帰国を果たしていたのだ。罰金ぐらいで済んだのだろう。)
 緑色の玄関扉からホランが登場。自室に招き入れて、彼は今回の事件について案外と落ち着いた表情で話していた。だが、やはり逝っている人物である事は明らか。彼はそろそろイスラエルに第二のキリストが降臨するという予言を伝えるために、トップ選手がやってくるのを待ち構えていた(下の写真にあるように、The second coming is near / Says bible / Grand Prix Priestとある)。ホラン本人の証言では、デリマ選手に抱きつくことは当初の考えにはなく、マラソンコースに侵入してトップ選手の前で、予言を伝える紙面をテレビ画面に見せながらしばらくトップ選手の前を走るつもりだったらしい(その真偽のほどは不明、でもそんなに走れるはずない)。だが、思ったよりもデリマのスピードが速くて、とても彼の前を走る事は出来ないと悟り、思わず抱きついてデリマを最後には倒してしまったらしい。とっさの出来事で、自分もこんなことになって驚いてしまっているとかなんとか。
a0024788_1356035.jpg このテレビ局は親切にもこの話をデリマに伝えてみた。すると、デリマは今回の事件で誰一人として恨んではいない、と話している。(その割りに、ブラジルのTVでは、アテネで金メダルを獲得したボートか何かの選手から、ぜひ金メダルを受け取ってくれといわれて感動の涙を流していた。)笑顔でのマラソンゴールの会場での走り、その後の恨みがましい発言ゼロ、という態度は敬服に値する。思い起こしてみると、シドニーオリンピックでは、日本の篠原選手が審判の間違った判断で一本負けをしてしまい、日本のコーチも篠原自身も、一生忘れないぐらいの怨念を発していた。日本の報道もかなり白熱したものとなっていた。これと比較してみると、デリマは案外とあっさりしているだ。だが、これもおそらくはキリスト教への信仰のおかげなのかもしれない。
 NHKのニュースによると、ブラジルの放送局も同じような形でホランに取材して、ホランの言葉をデリマに伝えていた。日本の放送局のとはちょっと内容が違っていて、デリマはとにかくメダルが欲しかっただけで、銅メダルをもらえてとても嬉しいのだ、と話していた。チェチェンやパレスチナやイラクでは、憎しみの連鎖、度重なる攻撃の応酬が続いているが、ホランもデリマもどこかで超越してしまっていることは確かである。

[PR]
        by kaursh | 2004-09-06 21:06 | ネット情報